自伝「オイラとギター」リニューアル 第9章 福岡へ

自伝「オイラとギター」リニューアル 第9章 福岡へ

 

高校生活も終盤、自分でもいうのもなんだが
だいぶ弾けるようになっていた。
つもりだ。つもりかな。どうだろう?
比較対象がないからわからない。

アルペジオ覚えた。
スリーフィンガー覚えた。

でもこんくらいだ。ストロークもジャカジャカ弾くだけで
いろんなリズムは刻めない。
まだコードも簡単なコードだけで難しいコードは
覚えようとしなかった。(これは後々、致命的な事に)


でも苦労したのはやっぱりFコードである。

Fには2つの押さえ方がある。

人差し指で1弦から6弦まで押さえる押さえ方

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画像は「http://www.j-guitar.com/ha/hajime/aco.html」から引用

この押さえ方はほぼ大丈夫なんだけど。

 

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Fと親指で6弦人差し指で1弦と2弦を押さえるFである。

画像は「http://www.j-guitar.com/ha/hajime/aco.html」から引用

 

長渕を弾くにはなにがなんでも後者のFもマスターしなければならない。
最初のFの押さえ方では出せない音がある。

なぜかといえばこの押さえ方で
2弦3弦のハマリングオン(開放弦の音必要)および
プリングオフ(開放弦の音必要)
をフィンガリングで盛りこめられている曲が多いからだ。
長渕剛の「順子」のエンディングもこの押さえ方で
やらないとだめだ。

ギターをやりはじめの頃から前者のFで練習していたため
後者のFへの切り替えが結構大変だった。


手の小さい、短い指の私には結構不利だった
今でもきれいに弾けない。

Fだけが苦手というわけではなかった。
ちなみにBmのコードもこのような押さえ方をするが
とんでもない!。無理!無理!絶対無理!
Bmでは親指で6弦と5弦を押さえなければいけない。

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高校を卒業して、福岡の大学へ進学した。
一人暮らしは、まだ早いと親父とお袋に言われて下宿生活を
することになった。

鹿児島から福岡までの電車の中、がらがら。

車両の中には数人。ギターを取り出してぽろぽろ弾いた。


大学まで約1.5kmの住宅街の中にその下宿はある。


木造の2階建てで見た目、震度2の地震がきたら一発で倒壊の危険がありそうな
おんぼろである。いったい何百年前に建てられたものだろうか?

うへえ~ こんなとこに住むのかぁ~ やだなぁ~
かなりショックだった。

 


下宿の玄関は、下宿生のいろんな靴が散乱しており、とりちらかっていた。

大家さんに2Fに連れていかれ、ある薄暗い部屋に通された。
ベニヤの扉をあけると狭い4畳半。この部屋に住むことになる。
風通しの悪く、一日中、陽もささない部屋である。

かなりへこんだ。

下宿なのでとうぜん風呂も共同 洗面所もWCも共同。
先輩後輩の服従関係は絶対。後輩のものは先輩のもの
先輩のものは、先輩のもの。
後輩の体は、先輩のもの。

WCでウンコをしていても先輩から早く出ろと言われれば
途中でウンコを切って、すぐに先輩にWCを譲らなければならない。
風呂も先輩から順番。
最後のほうは、もう湯船が汚い! 汚い!
どうみても風呂の中に浸かって体を洗っていたんじゃないかと
思えるくらいの汚さだ。

いかんぞ。いかんぞ。この暮らしに慣れなければやっていけない。

買ったばかりの歯磨き粉も買ったばかりの洗濯機の横に置いていた洗剤も
あっというまになくなった。

ふひゃひゃひゃ・・・がまん! がまん!

先輩は4人住んでいた。大学4年が1名 3年が1名 2年が2名
そして新入生は、オイラのほかにもう一人。
6人がこの下宿で暮らしている。