おやじとおふくろ上京⑤
長野駅から新幹線で上田を通り過ぎる時
家内の実家の前にある松屋のでっかい看板を指さして
おふくろに「あそこが実家だよ」と話した。
お義父さんお義母さんも優しく迎えてくれた。
ありがたかったです。
ちょっとした階段の上り降りの時、お義母さんがおふくろの手を引いてくれた。
わけのわからない鹿児島弁にも笑顔で耳を傾けてくれました。
今度はぜひ鹿児島へいらしてください。
長野駅から東京駅まで約1時間半
みゆきは新幹線の中で受験勉強中
夜は弟家族がやってきた。
弟のギターに合わせて家内は「上田わっしょい」を踊る。
変だ。
おやじとおふくろはそんな意外なみゆきの踊りに笑った。
弟の奥さんもほろ酔い、いい気分で乾杯を歌った。
孫は大学3年生。184cmと長身。
奥さんの血筋がでかいらしい。
奥さんが身長166cmで家族の中で1番小さいという。
お母さんは彼女より大きいらしい。
また甥っ子は大学では軽音楽サークルに入りドラムを担当しているらしい。
いつか昭和にも連れて行きたい。
甥っ子に肩をもまれ、喜ぶ親父と痛がるおふくろ。
次の日
今日の予定はスカイツリー行って、昨日見れなかった東京駅駅舎を見に行き、そして夜は
東京ドームで巨人戦観戦。今日が観光最後の日。
スカイツリーは我が家から電車1本で行ける。
二人とも多少疲れ気味。。
おふくろ足大丈夫かな。。。?
駅に着いて昼食。洋風レストランへ。
しかっし高い。高い。ふつうの店の2倍くらいの金額だ。
それにあんまりおいしくなくて。。。
語弊があるので、自分の口には合わなかったかなという表現がいいかもしれない。
昨日のソバ屋に続いて店を誤ったぞ。
おふくろはWCへ行った。
おやじが「スカイツリーはどこ?」
するとみゆきは笑顔でそして自信満々に答えた。
「おとうさん、ここはスカイツリーの中なんですよ!」
私もスカイツリーは全然詳しくないので
へえ~。。そうなの?ここはもうスカイツリーの中なんだと。
外へ出た。
スカイツリーの中じゃなかった。スカイツリーは前方だ。
昼飯を食べたのは手前のビルだった。
みゆきめ!だましたな~
やっぱりスカイツリーは青い空が似合う。
あいにく今日は曇り空。展望台からの景色は果たしてどうかな?
すると放送が流れた。
「本日は強風のため展望台営業は中止!」と。
残念。残念。
長野でもそうだったが、おふくろはここ数年で甘党に変わった。
チョコレートなんとかという飲み物をおいしい!おいしいと!
ソラマチで買い物をして帰ろうとしたとき、とうとうおふくろの足が悲鳴をあげた。
左足の靴が半履き状態で歩いてるのに気が付いた。
そうとうおふくろ我慢していたらしい。
みゆきが薬局に走り絆創膏を。
おふくろ大丈夫かぁ?
絆創膏を貼って靴を履いたが、まともに歩けない。
どうやら親指の先が靴の内側に当たって痛いらしい。
みゆきが靴屋に走りサンダルを買ってきた。
このサンダルでだいぶ楽になったらしい。
でも時間が時間だったので東京駅駅舎を見るのは中止。
そのまま東京ドームへ。
スタンドはオレンジ一色。
今日はお客さんにオレンジのシャツが配られてみんなそれを着ているのだ。
飲み物売り子のお姉ちゃんは大変そうだ。
みんなだくだく汗をかきながら、販売をしている。
でもどのねえちゃんもかわいい。顔で選んでいるな絶対。
みゆきはビールがうまいと。
ファールボールが近くまで飛んでくるたびにみゆきはなぜか喜ぶ。
それがわからん。
彼女は2塁の塁審まで選手に数えていた。
よく見ろ!服の色も違うじゃねえか!
3対3の同点になった7回でドームを引き上げた。
おやじもおふくろも喜んでくれた。
初めての東京ドーム。初めての巨人戦。いい思い出になったと思います。
翌日。
今日両親は鹿児島に帰ります。
お土産とか荷物が結構増えたので、宅配便で送ることにしました。
近くのコンビニに実に頭にくる店員のばばあがいる。今朝もこのばばあにむかついた。両親が鹿児島に帰るので荷物を2個持ってコンビニからクロネコで発送しようと持って行った。送り先の伝票に記入して「じゃあ、お願いします」と言うとそのばばあ店員が「えっ?2個口ですか?」「じゃあ、こっちの伝票に書き直してください」はばあ!何を見とるんじゃ?俺は荷物を2個持ってきてるじゃねえか!伝票をまた書き直す。「明後日の到着になります」「何曜日ですか?」「曜日はわかりません。」と答えた。ぶちきれるのを我慢した。
空港まで両親と行きました。
そしてお別れのときの1枚。
おやじもおふくろも楽しかったと笑顔いっぱいに言ってくれました。
二人の背中を見送りながら思った。
自分を産んで育ててくれたこの二人こそ自分にとっては「神様」なんだなと。
もっともっと大切にしなきゃいけないなと。
進行してないけどおやじはガンで患い、補聴器はつけているけどぎりぎり聞こえるか聞こえない。
体も若いころから弱くひっきりなしに病院へ行っている。おふくろは数年前片目を失明して足も
腰も悪い。二人でいたわり合い支え合って助け合ってなんとか暮らしている。
また帰るから。。元気でな。。おやじもおふくろも。。
だめだな。。また今回も「ありがとう」を言えなかった。