願う心。想う心。

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今から14年前のある日の事でした。

10才の娘がかわいがっていたハムスターが死にました。
娘は私のところに来て
小さい声で

「死んじゃった。。。」と言いました。

下ばかり向いていました。

「公園の花壇に埋めに行こうか」


娘は小さくうなづき、二人で夕焼けの公園に

行きました。


娘はハンカチに動かなくなったハムスターを

大切につつんで。

夕焼けが今にも逃げそうな公園の

水銀灯に明かりが灯り始めた頃。

公園の隅の花壇の中に

娘は無言で小さなスコップで穴を掘り
始めました。


ずっと黙ったままでした。

優しく優しく土をかけました。

公園の帰り道。手をつないで黙ったままの娘に

言いました。


「おんぶしてあげようか?」

娘はうなずき、背中に娘を背負った。

歩き始めてしばらくすると、背中で

とうとう娘は声をあげて泣き始めました。

ずっとずっとこらえていたのでしょう。

こんな事初めてでした。

叱られて泣いたのではなくて
ころんで痛くて泣いたのもなくて。。

悲しくて泣いた娘を見たのは初めてでした。

 

そんな娘を背中に。背中が涙で熱くなって。

私もたまらなくなりました。そして

私もどうにもこうにもこらえきれず涙が出てきて。

父親にとって娘が悲しくて泣いている姿ほど

つらいものはないんだなと

初めて思いました。

14年前の夏の日の出来ことです。

今日10/9は娘の24才の誕生日です。

もう9年会えてません。

でも娘を

願う心と想う心はいつまでも持ち続けたいと

思います。