二人が村に着いた時には、日はどっぷり暮れていた。
ぼろいほったて小屋の入り口の前で、浦島太郎は桃太郎に言った。
「布団はひとつじゃよ! へんな事をしなければここに泊めてもいいぞ」
こんな薄汚い小屋で誰が、安心して寝るれか?桃太郎は断った。
こんなきれいな月夜。地べたに大の字になって寝るさ。
小屋の近くの井戸の前に腰をおろした。
腹減ったなぁ・・・あっ!そうだ。まだきびだんごが残っていた。
しならくして、浦島太郎の小屋から、何やらうまそうな匂いが。
ま、まさか!? 桃太郎は立ち上がり、周りを見渡した。
家来のキジがいない!
「う、浦島太郎め! ぶっころしてやる」