鬼22

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納屋の柱に亀は首をつながれていた。

「姫! 姫!」

亀はその声に振り返った。

「だ、だれ? 私を姫と呼ぶのは?」

「姫、私です。ここです」

月明かりの射す納屋の藁の上、桃太郎の家来の犬の足におさえられている小人が亀を呼んでいた。

「おまえは、7人の小人の長男の正樹?」

「ち、ちがいます!」

「四男の茂樹?」

「ちがいます。お、お忘れですか? 私の顔を」

「末っ子の音樹かい?」

「ち、違います。。。というか音樹という兄弟はおりませぬ。直樹ですよ。直樹!お忘れですか?この直樹の顔を」

「す、すまぬ、小人7人兄弟、みな同じ顔をしているから見分けがつかぬのじゃ」

「ところで姫!、私を助けてください。 このバカ犬の足をどけてもらえませんか?」

「おぬしは何をしにここに来たのじゃ? 私を助けにきたのではないのか?」

「姫救出作戦会議の最中に、このバカ犬が乱入してきて私をくわえて持ち去ったのです」

「そ、それで・・・」

「それで最終的な姫救出作戦の決定事項を、私は知りませぬ。」

「・・・・・・・・・・」

この亀、実は白雪姫。鬼の毒牙にかかり、美しい女性の姿から亀の姿に変えられてしまった。
7人の小人達は、亀を救出して、元の美しい姫の姿に戻そうと必死になっていたのだった。