鬼25

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納屋の中の白雪姫と直樹

「直樹、私を見なさい。今や囚われの身。首の鎖を断ち切らぬ限り私も、おまえを助けてやれぬ」

「そんな殺生な。。。」

「直樹、あなたは私を助けに参ったのでしょう? なのになぜ私に助けを乞うのじゃ?」

「・・・・・・・・・」

「直樹や、今宵の月はとても美しい。。機を待ちましょう・・・」

「木を持ちましょう? なんです? 暗号ですか?」

「私は、機を待ちましょうと言ったのです。ふざけないでください」

納屋の扉が開き、桃太郎が入ってきた。 鎖につながれている亀を見下ろしながら

「おい、亀さんよ。口聞けるんだろ? 逃がしてやるから、明日オレを竜宮城へ連れて行ってくれよ」

亀は口を開いた。

「桃太郎。。。侍よ」

あぁぁあぁあああ!さっきの暗闇の声ではないか!この声は!


「実は私は、鬼の魔術によって人間から亀に姿を変えられました。あの鬼を倒さぬ限り私は元の人間に戻れません。どうかあの鬼を倒してはくれぬか? 礼ははずむ。きびだんご1年分でどうじゃ?」


「人間から亀に? はぁ? そんな馬鹿な!おとぎ話じゃあるまいし。それに鬼倒してきびだんご1年分じゃ割に合わぬし、それにきびだんごはそんなに好きではない!」


「きびだんご1年分ではもの足りぬと言うのか? 」


「そんなもんで引き受けるバカはいねえよ。なあ!おれも竜宮城!竜宮城!」

「そんなにおまえも竜宮城でウハウハしたいのか?」


「したい!したい! 浦島太郎だけずるい!ずるい!」

「・・・兄弟そろって・・エロいのですね」

「はあ?兄弟? 誰が・・・誰と・・兄弟?」