リニューアル「オイラとギター」その7

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少し時をさかのぼる。
それは中学校3年の夏、同じバレーボール部の友達と二人で
海水浴に行った。田舎の海水浴場は人も少ないが、
海は抜群にきれいである。

買ったばかりの黄色いシュノーケルを使う。
缶ジュースは「スコール」という炭酸。

夏の焼け付くような日差しで砂浜も熱くたぎっている。
裸足ではとても歩けない。

そのとき、無性にウンコがしたくなって近くの「藪(やぶ)」の方へ歩いていった。

友達が言った。「きたねえな~野グソかよ~ 便所行けよ」

「だってさ、あそこの便所 くみ取り便所でくせぇ~んだよ」

砂浜から全然見えない藪の中で、海パンおろしてしゃがんだ。

ぶりぶり・・・・

ごくごく、一般的な音である。
人として恥ずかしくないサウンドである。

その時だった。

背後から友達が叫んだのだ。


な、なんじゃ!?その毛は?

私はウンコを断ち切り、しゃがんだまま振り返った。

な、なんで、そんなところに毛が生えているんじゃ?

み、見られた!しまった!

なんで、尻に毛が生えてるんじゃぁぁぁぁあああ!

がはははははは・・・・・
がははははははは・・・・・・・
がははははははははは・・・・・・・・・


友達は腹をかかえてわらいころげてた。
らっきょがころがっても笑い転げる年代である。その気持ちもわからんでもない。
しかし・・・・

私の尻には毛が生えている。それは絶対ばれてはいけない秘密なのだ。
尻に毛が生えているといっても見たことがない人はイメージが、きっとわかないだろう。
わかりやすく言うと、尻に髪の毛が生えているのだ。それほどすごいのである。
突然変異である。


うかつだった。。。。
まさか友達が後をつけてきてるとは。。。。。

あっちに行けぇ!

とりあえずそれを言うのがせいいっぱいだった。。。



砂浜に二人で並んだ。

「あのさ。。。誰にも言うなよ・・・」

「なんで尻に毛が生えてるんだよ?」

「そんなこと、オレに聞いてもわからん・・・たのむから誰にも言うなよ・・・」

「チン毛が後ろまで生えてきたのか?」

「あのさ、誰にも言うなよ・・・・」

「言うよ」

「だから、言うなって。。。たのむよ」

「いつからそんなところに毛が生えてきたんだよ」

「おれもよくわからん。。。。」

「おやじも生えてるのか?」

「いや、おやじはきれいな尻をしてる」

「じゃあ。。。遺伝じゃないんだな。。おまえだけ? 突然変異?」

「そんな言い方をするなよ。差別だぞ」

「差別じゃないよ。種類だよ」

「うかつだったなぁ~ まさかおまえがオレの野グソを見にきてるなんて全く気がつかなかった」

「おまえさ、ちょっとパンツを脱いで100m先に後ろ向きに立ってみて」

「バカ言うな・・・・」

「学校でばらすぞ!一瞬でいいから」

「そんなことできるわけないじゃんか」

「女子にも言うぞ!」

砂浜をみた。5~6人しか海水浴客がいない。

「さあ。。ここから100mくらい走っていってパンツをぬいで後ろ向き立ってくれよ」

「おまえさ、何を考えてるんだよ」

「いいから。。。いいから。。。」

「絶対やらん!死んでもやらん!」

「女子に言うぞ。。。ものすごくうわさがひろがるぞ!たぶんみんな気持ち悪い目でおまえをみるぞ」

そのセリフが終わらないうちに、おれは全力疾走で走り出した。

100mくらい走って あたりを確かめてパンツを脱いで、尻をあいつに見せた。

約2秒。

おれは、パンツをあげてまた全力疾走で戻った。

そいつは実に苦しそうにもがいていた。人が笑い死にする瞬間の画像だ。

「お、おまえさ。。。がははははは。。。遠くから見ると黒いパンツをはいているみたい。がはははは」

「それをやらせたかったのか。おまえは。おれは家来じゃないぞ。」

「傑作!傑作!」

「女子に絶対言うなよ。おまえさ。約束を破るなよ」

「破るよ」

な、なんでじゃ?