リニューアル「オイラとギター」その12

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怒られた。
大家さんから怒られた。
朝っぱらから怒られた。

昨夜ギターの音がうるさいと隣の家から大家に苦情が入ったのだ。
田舎の鹿児島にいた時は、こんな事はなかったのに。
そりゃそうだ。近所に家はなかった。

朝からナーバスだ。ちくしょう。
好きな時間にギターを弾くことに自由がない。

下宿のオイラの部屋は4畳半。押し入れまで入れて4畳半。
生活のスペースは4畳しかない。
いつ頃の畳だろう。だいぶ古い。カーペットを敷かなきゃ。

田舎では6畳もあったのに。
日当たりも風通しもよかったのに。

ここは窓を開けても日も射さないし、おまけに手を伸ばせばとなりの家の壁だ。

とりあえず夜にギターを弾くことはやめておこう。
まさかへただから苦情がきたんじゃないだろうな?


翌朝、またもや大家さんに怒られた。夜、ギター弾いてないのに。
隣の家からまた苦情が入ったと。
今度はラジカセの音がうるさいと。

な、なんなんだよ。
田舎じゃこんなことなんてなかったぞ。

逆に田舎では、夜中に近くの田んぼの約2000匹のカエルの鳴き声のおかげで
何度発狂しそうになったことか。
以前、あんまりうるさかったから夜中に2Fのベランダに出て田んぼに向かって

「へ、ヘビだ!」


でっかい声で叫んだら

なんと2000匹のカエルがいっせいに鳴き止んだ。
私の「ヘビ」発言に2000匹のカエルがいっせいに
びびったのだ。ほんとの話だからこれがまた驚きだ。

ふん!ざまあみやがれ!

次の日の夜、調子にのってまた「へ、ヘビだ!」でっかい声で叫んだら
今度は2000匹のカエルは鳴きやまなかった。今度はいっせいに無視された。
なんとカエルに無視されたのだ。
かなり頭にきた。なめくさりやがって!たかがカエルの分際で!


そして2000匹のカエルを2000匹のヘビで皆殺しにしてやろうかと、友達4人と村からちょっと
離れた地元では、絶対立ち入ってはならぬという地元では3番目に高い
標高4500メートルの禁断の山でヘビを探したが
巨大なアナコンダしか捕獲できず、村に持ち帰ったら村中が大パニックになった。
村長から俺たち4人は公民館に呼ばれ、

 「おまえたち、た、たいへんな事をしてくれたな! これは山神様だぞ」
 「村長様、これはふつうのガラガラヘビでございます!」
 「ばかなことを言うな! こんなでっかいガラガラヘビなどどこにいるものか?」
 「これはどこからどうみてもガラガラヘビでございますぞ!村長様」
 「じゃあ、片手で持ち上げてみろ!」
 「・・・・・・」
 「山神様の祟りが、災いとなってこの村におそいかかるぞ!」
 「そ、そんな・・・オーバーな」
 「ば、ばかもの!」
 「山神様などではありませぬ!だってこれはどうみてもふつうのアナコンダでございますよ」
 「おい、おまえはさっきガラガラヘビだって言ったではないか?」

公民館に駆けつけたオレの母親は、泣きながら持ってきたフライパンで14発ほど
私の顔を殴った。結構痛かった。

 「村長様、どうか息子の失態をお許しください」村長の足下にすがる私の母親。
 映画とかテレビドラマとかでよくみるワンシーンだ。
 「いやもう。。遅い。。山神様のお怒りをしずめることはワシには無理じゃ。。」
 「それでは、ぜひ私の息子を生けにえに!」
 映画とかテレビドラマではみたこともないワンシーンだ。

この続きは、突発的に出現します。次回をお楽しみに。





なんだよ。ラジカセも満足に聞けないのかよ。ここでは。

またテレビはアンテナの引き込み口がないため室内アンテナだ。かなり映りが悪い。
先輩に聞くとどの部屋も映りが悪かった。
しかし鹿児島では民放は2局しかなかったのに、ここでは4局もある。すごい。

ちなみに私が7才の時、鹿児島では民放1局 NHKは2局しかなかった。
テレビにへんなチューナーをつけてさらに民放が1局追加される、えげつない仕組みだった。
さらにブラウン管に青いカバーをかける事によって、これこそカラーテレビだ!ってだまされてた。


そんな無駄話はもういい


ギターを弾いた。
自分でいうのも変だが、相変わらずEmはうまい。
EmからDへのコード進行は武者震いがする。 しかし
CからGはなんとなくいやだ。個人の好みもあるが、CからGを繰り返して
弾いているとWCに行きたくなる。
基本的に、いっぱい指をつかうコードはきらいなのだ。

それがC。6弦まで押さえると結構無理があるらしく
4弦のハマリングのとき5弦を押さえている指が4弦にかぶっているため
ハマリングの音がきれいにでない。
よってハマリングをやるときは6弦をおさえない。

だいたいオイラの指は短いんだよ。人様よりも。
余裕がないのだ。指の事ばかり言ってるとキリがないからこのへんで指の
話はやめましょう。

部屋の隅には、ダンボール箱。例の英会話カセット教材だ。
実に目障りな箱だ。


その翌週、大家さんちの電話に私宛の電話がかかってきた。
電話に出るといきなり

「当選おめでとうございます!あなたは選ばれました!」

えっ!うそ!?