リニューアル「オイラとギター」その15

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男子19才。酒はもちろん強くない。ビールも日本酒も焼酎もウィスキーも
おいしいとは、思わない。高校3年生の終わりにちょこっと飲んだくらいだ。

部活に入ろうものならそこでアルコール漬けになって鍛えられるらしい。
それがキャンパスライフである。

下宿の部屋 4畳半の部屋 改めて思うが狭い部屋だ。
下宿の先輩から借りた「スコラ」の雑誌。いやらしい本だ。実にいやらしい。
本当にいやらしい。。。なんでこんな雑誌がこの部屋に。。。

オイラが先輩から借りたからここにあるのだ。


TVをつけた。相変わらず室内アンテナでは映りが悪い。
鹿児島の時は民放2チャンネル
福岡では民放4チャンネル すげえ。。
一人でチャンネル争いだ。

地図を広げた。そうだ。ここは福岡。

長渕の歌に出てくる「照和」に行ってみよう。
照和・・・数々のミュージシャンを誕生させた有名なライブハウスである。

下宿を出てバス停までとぼとぼ歩く。
バスは頻繁にやってくる。ここが田舎と違う。田舎では1時間に1本
時間帯によっては2時間に1本 乗客が少ないので必ず座れる。

ここは福岡。バスは学生でいっぱい。座れない。
バスの中で飛び交う博多弁。博多弁の勉強になる。早くこの鹿児島弁を
なんとかせねば、人と満足にコミュニケーションなんかとれないぞ。

30分から40分くらいで天神に着いた。

「天神」という言葉も長渕の曲に出てくる。

長渕もこの街で暮らしを営んでいたのか。。。

地図を片手に「照和」を探す。わくわくする。
だが全く場所がわからない。

歩き回った。14時過ぎとうとうお店を見つけた。
地下がライブハウス。1階が喫茶店になってた。

貼り紙がしてあった。どうやらライブは夜、やってるらしい。がっかりである。

またバスに乗って下宿に戻ってきた。無駄なバス代を使ったな。



下宿代は34000円。部屋代と一ヶ月の土日をのぞく朝飯・晩飯も含まれる。
今、考えればかなり安い。

また部屋で寝っ転がる。ひまだ。ひまだ。
寝返りをうつとまた「スコラ」の雑誌。なんといやらしい。。。

ギターを取り出した。
ノートを開いた。高校の時に作った歌


♪街はずれにある小さな湖・・・・・♪

かなり脚色した詩である。事実と違う。オイラの住んでいたところは街じゃない

村だ。事実通りに書くと

♪村はずれにある小さなため池・・・♪

こんな詩に誰が曲をつけられるか! 詩は美しくなければいけない。。。。



しかし毎日、暇だ。平凡である。と思ってたら部屋のとびらが開いた。
またノックなしに扉が開いた。先輩が顔を出して

「明日、バイトしない? 家具屋のバイトだけど 5000円」

「あっ!やります!やります!」

高校の時にやっていたバイトが1日2700円
雲泥の差である。

5000円。。。夢のような金額だ。

仕事の内容も聞かずに引き受けた。  
拷問のようなバイトだった。腕がちぎれるかと思った。

何にも知らないで翌日 家具屋に出かけて行った