リニューアル「オイラとギター」その17
考えてみるとオイラには彼女がいない。女子とつきあったことがない。
かと言ってホモではない。
高校の時、ずっと片思いの女子がいたのだが、願いはかなわなかったのだ。
大学近くにコンピュータを使った恋人紹介をしてくれる店があるらしい。下宿の先輩が教えてくれた。
やっぱり大学に入ったんだから、彼女の一人でもほしいものだ。
誰でもふつう思うものだ。別段不純な考えではない。
いんちきまがいな恋人紹介であろうが、知ったこっちゃない。とにかく彼女がほしいのである。
路地裏の細い道をくぐりぬけたところにお店がある。紹介料1000円入り申し込み用紙に記入する。
下宿の住所・名前・年齢・血液型・身長・出身・・・・・・・ん・・・出身?
出身を書くのか。。。出身を書かなければいけないのか!
「鹿児島」と正直に書くわけにはいかない。イモだと思われる。ここに鹿児島と書いた時点でマイナスポイントになる。
ん~。。。どうしよう。。。。
「福岡」と書くか。。。でも福岡に住んでいて下宿に住んでいるのも変だし、もし相手が福岡出身だったらすぐばれてしまうな。。
それにどうみてもオイラの顔は濃い。南の方の顔立だ。
思い切って「タイ出身」と書くか。。
んなことは書けるわけないだろう。冗談だ。冗談だ。ここはまじめに鹿児島と書いておいたほうが無難だ。
必要な項目を全部書き込みお店の人に渡すと、その紙を見ながらお店の人がコンピュータに向かって入力を始めた。
5分くらいするとコンピュータで印刷された紙をわたされた。
そこには紹介相手の住所・名前・電話番号が書かれていた。
すごい。これはすごい。
もう彼女ができた気分だ。飛び上がりたくなるくらいうれしかった。どんな人だろう。
電話番号が書いてある。さっそく電話してみるか。。。いやいや。。。そんな勇気はない。
下宿にすっとんで帰って机にむかってさっそく手紙を書いた。やっぱりまずは手紙だろう。
便せんに一枚、誠実な言葉を選んで手紙を書いてその日のうちに投函した。
うひひひひひ。。。
ひゃひゃひゃひゃひゃ
こんな簡単に恋人ができる手段があるとは、2~3日して手紙が届いた。
写真が入っていた。
な、なんじゃ!?この女子は!
人間顔じゃない。外見で判断してはならない。
そうだ。きっとそうだ。写真写りが悪いだけだ。
かなり悪いだけだ。
ドラエモンのジャイアンの妹のように見えるが
実物はきっと違うさ。
実物はとんでもなくかわいいかもしれない。
可能性3%に賭けよう!
一回会ってみるか。。
こっちも手紙に写真入れて、手紙には今度会いましょうと添えた。
そして2~3日して彼女からの手紙が届いた。
手紙にはこう書いてあった。
「写真ありがとうございます。でもちょっと私の好みのタイプと違うかなぁ~と思って。
ごめんなさい。お会いすることができません」
うひひひひひ。。。
ひゃひゃひゃひゃひゃ
何様じゃぁぁあああ!てめぇ!