おやじ!早く拇印を押してくれ!逮捕されるぞ!

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酒もたばこも博打も交通違反で捕まった事もない

私のオヤジが警察署で警官に

書類に拇印を押すように言われてました。

もう20年以上前の事です。

早朝、某私鉄を約15分止めてしまったのです。

何があったのか?というと。。。。

鹿児島から両親が出てきました。

東京の我が家に1泊して早朝、弟と両親の3人で

福島の弟の奥さんになる人の家に

結納に出かけて行きました。

30分くらいして弟から電話がありました。

警察署に来てくれと。。

大変なことになった!と。

 

はぁ?

 

事情が呑み込めないままあわてて着替え

警察署へ。

 

いったい何が?

 

こんなことが起きました。

我が家を出た3人は弟を先頭に駅まで歩いて

行きました。

途中踏切があります。

結構幅のある、いやだいぶ幅のある踏切です。

この街に住んで3回ほど人身事故があった踏切です。

弟は半分くらい進んだところで

カンカン!と鳴りはじめたので

急いで渡りました。振り返りまだ半分渡り切っていない

両親に「戻って!」と叫びました。

両親は振り返り、引き返しはじめました。

と、ここまでは問題なし。

 

ところが両親は遮断機くぐって外に出ずに

内側に二人で立っていたのです。

 

電車は近くで止まり、でかい警笛を何度も鳴らしましたが

おふくろとおやじは一向に遮断機の外に

出ませんでした。

 

知らなかったのです。

遮断機の外側に出なければいけないことを。

 

警察署で弟から話を聞きました。

両親は私鉄の職員と警察官から説教を受けています。

 

いやいやこれはおやじとおふくろが悪いなぁ~

知らなかったじゃ済まされんぞ。。

 

生真面目人生を送ってきた親父は

始末書に拇印を押すことをためらっている。

まさか東京にきて電車を止めて警察にしょっぴかれて

始末書に拇印を押す羽目になろうとは

思ってもいなかっただろう。。

 

警察官におふくろが言った。

「外に出なければいけないことを知りませんでした」

警察官が答えた。

「知らないって。。?田舎でも電車走っているでしょ?」

おふくろがいきなり半ギレになって

「私の田舎は電車走っていません!」

と言った。

 

その言い方が面白かったのか

警察官も職員も顔がほころんだ。

 

警察官は言った

「JRだったら間違いなく賠償請求ありますよ!

気をつけてもらわないと」

「さっき止めた電車の運転士さんも

夫婦の飛び込み自殺じゃないか?と思ってたみたいですよ」

 

今回は事情が事情ですので始末書に拇印を

押してください。。と。

 

オヤジはまだ抵抗している。

今まで潔癖な人生を送ってきたオヤジが拇印をためらって

いる。

 

おやじ!おしてくれ。逮捕されるぞ。。

 

20年以上前の大変な一日でした。