味がわからん

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みゆきさんが言った。「おいしいねえ!」

私も一口。

あれ? 味がしない。。。

それよりも口の中の入れ歯という異物がすごい邪魔!

どんな感じかというと

3センチ✕3センチの薄い板が口の中の上アゴに張り付いた状態で

トンカツを食べる事を想像してもらえれば。。。

食べにくい! 食べにくい!

果たしてこれ慣れるのか?

こんなもん口の中に入れないと俺は食事ができなくなったのかあ?

あ~ 情けない。。

宝くじでも当たれば即インプラントだったのになあ。。。

インプラントにした場合、概算で260万円!

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そんな金はない!

保険未適用の入れ歯は30万円~

これも高いなあ。。けど会話面食事面は保険適用の歯と比べると数段いいらしい。

保険適用は1万円くらい

実はみゆきのおとうさんも上も下も保険適用の総入れ歯。めっちゃ快適らしい。

そういえば帰省したときも普通に食事していたし会話もなめらかだったっけ。

これって慣れ?

インターネットで色々調べたら歯科技工所のレベル。

入れ歯は歯医者さんで作るわけではなく

歯医者さんも外注で「歯科技工所」に発注して作ってもらう。。

この歯科技工所の上手下手で出来が全然違ってくるらしい。。。

きっとおとうさんはいいところで作ってもらったに違いない。。。

おとうさんの口癖。。

「入れ歯はいいよ!だって虫歯にならないんだからねえ!」

た、確かに!

入れ歯をもらった次の日に歯医者に電話した。

「すみません。。入れ歯はずれるんですけど・・・」

安定剤ちゃんと使ってますか? 安定剤を塗って力いっぱい上アゴ

入れ歯を貼り付けてください。

言われたとおりやった。とりあえずくっついた。

晩飯時。

食べ物1回噛んだだけで外れた。

ちくしょ!

全然駄目じゃねえか。。。 頭にきて

ちゃぶ台ひっくり返した。。

みゆきさんが叫んだ。

「やめてよ!それじゃまるで星一徹じゃないの!」

「それじゃなにか? みゆきさんは姉の星明子かぁ?」

「・・・・・そ、そうよ・・」

「う、嘘言え!そんなにお姉さんは太ってなかったぞぉぉぉおおお!」

「な、何を言うかぁぁあああ?」

みゆきさんは激昂してフライパンで何度も何度も

私の後頭部をひっぱたたいた。。。